2016年に「Maasai」のヒット以来、注目を集めているエレクトニックミュージックプロダクションデュオであるOC&Verde。彼らの音楽制作プロセスでTORAIZ SP-16がどのように使われているのか、質問してみました。
現在はLogicをメインのDAWとして使用していて、全てこれを通しています。 僕らの楽曲のほとんどのベースはMoog Sub 37で作っていて、Arturiaシンセのリードやパッドと共に使用しています。Prophet-6も、ほぼ全てのプロダクションで使用していますね。 ほとんどのトラックでMaschineも使用していましたが、Pioneer DJのTORAIZ SP-16を入手してからは、こっちでドラムをプログラムしています。
僕たちは [Roland TR-] 707や909のような古いドラムマシンをずっと使ってきたので、その感覚に近いところが気に入っています。Logic上で構築するのではなく、実際にパターンをプログラムしていくという方法です。 ハードウェアで実験を重ねる方が、はるかにクリエイティブなものが作れます。 僕らはTORAIZ SP-16を走らせながら、ライブでその音にエフェクトを加えていきます。 それらをリアルタイムで録音すると、LogicやAbletonで線を書くよりも、ずっと優れた結果が得られます。 SP-16の最新のアップデートに付随する新しいエフェクトが本当に役に立ちましたし、オンボード・フィルターもクオリティが高いですね。
サンプラーを内蔵し、大型のタッチスクリーンも備えていながら、オールドスクールなドラムマシンに一体化されているところが素晴らしいです。 古いものと新しいもののいいとこ取りという感じで、しかもPioneer DJ社製なので品質も最高峰です。近年発売されたドラムマシンの中には、小さくてプラスティックっぽく、ボタンを強く押すと壊れてしまうようなものもあります。僕らはSP-16をスタジオのプロダクション・ツールとして喜んで使っていますが、ライブでの使用にも耐えるという信頼性が魅力です。
タッチスクリーンでしょうかね。 何をどのように進めればいいか、とても手順を分かりやすく示してくれます。 箱から出した瞬間から、すぐに使い始めることができる。古いドラムマシンの中には、隠れメニューがたくさんあったり、2〜3個のボタンを同時に押さないとアクセス出来ない機能があったりしましたが、タッチスクリーンがそれを全て解消してくれた。 今は誰もがスマートフォンを持っているので、タッチスクリーンの操作に慣れているということもあると思います。 とても理にかなっている。
ビートやパーカッション、そしてそれらに加えるエフェクトに関して、ずっと実験的になれたと思います。 今ではとてもいいサウンド・パレットをマシン上に作ってあるので、新しいトラックに着手する際、ほんの数分でとてもクールなサウンドを得ることができます。 僕らはいつも必ずしも十分なスタジオ時間を確保できないので、これは重要なことなんです。
僕らのようなプロデューサーやDJには薦めます。これまでずっとループを使用していてドラムマシンを使用したことがないという人には、これは最適な出発点になるでしょう。使い方はとても簡単ですが、高度なテクニックを駆使して自分のサウンドをサンプリングすることもできます。スタジオで使用することによって、ライブにも活用できるようになるでしょう。普段使い慣れている分ね。
僕たちのDJセットアップは、CDJ-2000Nexus x 3台、DJM-900NXS2、RMX-1000、そしてTORAIZ SP-16です。
SP-16を導入する前は、4台のデッキとミキサーとRMX-1000でDJをしていました。 デッキのうち2つはCDJで、もう2つのデッキとしてTraktorを使用していました。 TraktorのデッキのエフェクトをiPadでコントロールし、セットアップ全体のエフェクトはRMX-1000で加えて。この設定では、それほどライブ・パフォーマンスの要素はなく、エフェクトを多用したDJセットという感じでしたね。
現在は、SP-16のおかげでTraktor部分を完全に排除することができました。 自分たちのトラックの大部分を解体してSP-16に入れておき、リアルタイムにCDJで再生している楽曲と完全にシンクしながら、その場で再アレンジ/リミックスすることが可能です。これによって完全にプレイの仕方が変わりました。今では既発曲と自分たちのトラックをその場で安易に切り替えることができます。
優れたDJを構成するものは3つあります...
僕らは自分たちのトラックをライブでプレイする際には、最新のテクノロジーを駆使して、技術的に可能な最大限のことにチャレンジするよう心がけますが、同時にDJとしてのルーツも忘れないようにしています。ビートマッチング、スクラッチング、アカペラを乗せる、といったことです。 また、機会さえあればロングセットをプレイするのも大好きです。長いセットだと、人々を本当に僕らが連れて行きたいところまで連れて行けますからね。
ダンスフロアでは、即時に反応が得られます。それが機能するかどうか、すぐに分かる。 でも、スタジオでは完全に自分たちだけで良し悪しが判断ができる。
僕たちは東洋の音楽、奇妙なアフリカのトライバル音楽、インドのヴォーカル曲などを聴いていて、それらは僕らの楽曲からも聴き取ることができると思います。 それ以外では80年代のシンセ・ポップ、90年代のヒップホップをかなり聴いています。影響はあらゆる種類の音楽から受けますよ。
ベースラインは曲全体をひとつにまとめるものだと考えているので、僕らもそれを中心にトラックを作っています。ですから、重いサブが効いた、テクノの疾走感をもたらすストレートなグルーヴのキックが好きですね。 僕らはまた、メロディーを生み出す軽めのベースをそれに重ねるのが好きです。この二つの要素の組み合わせが、僕らが思う優れたベースラインを構成しています。
サンプル・パックから古いサンプルCD、それに古いレコードにYouTubeからもリッピングしますよ。
Dave Smith Prophet-6で採用されているアナログディスクリートフィルター回路の搭載により、楽器のような豊かなサウンド表現を演出します。さらに、購入してすぐに音楽制作、演奏を始められる2GB分のLoopmasters社製サンプル音源や、ステップ単位での多彩な打ち込みができるステップシーケンサー、外部入力音を即座にサンプリングするLIVE SAMPLING機能により、素早く直感的にアイデアを形にし、自分だけのフレーズを次々に生み出すことが可能です。
さらに詳しくモノフォニック・アナログ・シンセサイザー TORAIZ AS-1は、音楽制作やライブパフォーマンスに唯一無二のアナログサウンドと無限のインスピレーションを与えます。Dave Smith Instruments社の Prophet-6 のアナログ・ディスクリート回路をベースに共同開発されています。さらにタッチパッド式の KEYBOARD や SLIDER といった、音楽制作時のインスピレーションを刺激する直感的な演奏インターフェースを搭載しています。
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