ミキサーもターンテーブルも、よりDJの意見を取り入れたものを作ったっていうのが明確に出ていますねCaptain Vinyl
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—— お二人とも普段からクラブプレイでPioneer DJの機材を使用されていると思いますが、まず、最初にPioneer DJというブランドに対する印象をお聞かせください。
MURO(以下M): どこの現場に行ってもPioneer DJのミキサーがありますよね。いつぐらいから、こんなに根強い人気になったんだろう? 少なくともミキサーは、ここ10年くらいはそういう状態ですよね。なので、Pioneer DJはミキサーにしてもヘッドフォンにしても、常にDJのことを考えたアイテムを出しているという印象です。けど、さすがにターンテーブルまで作った時はビックリしました(笑)。
NORI(以下N): 自分もそういうイメージはありますね。現場に対応するようにどんどんと進化していってっていうのが正直な感じです。CDJもそうですし、ミキサーもそうですし。ターンテーブルも、よりDJの意見を取り入れたものを作ったっていうのが明確に出ていますね。
—— その中でもDJM-900NSX2はクラブミキサーとして一番のスタンダードだと思うんですが、実際、現場で使っての感想はいかがでしょうか?
M: DJM-900NSX2があれば安心というか、もはやDJM-900NSX2の安心感に完全に頼っちゃっていますね。タフだし、絶対に壊れないという安心感がある。他のミキサーだとエフェクト一つ使うのでも、繊細というか、気を遣っちゃってたけども、そういう機能もドッシリしているというか。
—— ちなみに渋谷のクラブContactで毎月最終火曜日に開催しているお二人のイベント『Captain Vinyl』で使用されているミキサーは何でしょうか?
N: あれもDJM-900NSX2ですね。
Captain Vinylマネージャー: 地方営業やフェスなどに出演する際にも、必ずPioneer DJのDJM-900NSX2か、あるいは地方では新しい機材がなかったりする場合もあるので、最低でもDJM-800を指定機材として用意してもらっています。
—— 今回、8月25日にリリースされたばかりのDJM-750MK2を初めて触っていただいているわけですが、第一印象はいかがですか?
M: フォルムはさらに進化している感じがしますね。マットなカラーリングもすごく良いですし。
N: 良い意味でシンプルになっている感じですね。大きさもDJM-900NSX2より少し小さいのかな?
M: (実際に両者の大きさを比べてみて)本当にちょうどひと回り小さいですね。
—— ちなみにDJM-750MK2は、DJM-900NSX2のエフェクト機能をほぼそのまま引き継いでいますが、お二人は普段、ミックスの際にエフェクトは使用しますか?
M: 僕はフィルターはよく使いますね。フィルターがないミキサーを使う時はイコライザーを絞って低音抜いたりして調整していましたけど、その点、Pioneer DJのミキサーのフィルターは音の抜けも良くて、すごく使いやすいです。
N: 僕もMuroとやっている時にフィルターを使ったり。あと、たまにエコーだったりディレイは使いますね。
—— お二人はバックトゥバック※1でDJをされていますが、ミキサーをどう二人でシェアして使用していますか?
※1:お互いに1曲ずつ交互に曲をかけるDJプレイのスタイル
M: (クロスフェーダーを真ん中にして)こういう感じが多いですかね。それでお互い縦フェーダーで音を切ったりして。
N: 二人でやる時は、結構、長い時間やるので、曲によって臨機応変に使い分けたりもします。曲によってはミックスの入り方が縦フェーダーが良い時もあれば、クロスフェーダーの場合もあったり。
M: あと、ミックスの際にはイコライザーを結構使いますね。結構、アメリカ盤とヨーロッパ盤で音質が違ったりするので、その違いを調整するのに必要です。
N: イコライザーをどう使うかっていうのはやっぱり重要だし、その点もPioneer DJのミキサーは良いですよね。あとゲインですかね。モニタリングした時に音量を調整するのに、非常に使いやすいと思いますね。
—— バックトゥバックの時はヘッドフォンの接続はどうしていますか?
N: 以前は二人で一回一回プレイのたびにミキサーから外して交互に着けていましたが、今はヘッドフォンが二つ差せるプラグを手に入れたので、それを使っています。
ちなみにDJM-750MK2を見てもらうとわかりますが、標準プラグとミニプラグで二つ同時にヘッドフォンを差せるようになってるんですよ。
N: なるほどね~。それは気付かなかった(笑)。今使っているプラグだと、たまにジャックがちゃんと入っていなくて、『音が出ない?!』みたいなことがあるんで、これは便利ですね。
—— あと、DJM-750MK2のクロスフェーダー「MAGVEL CROSS FADER」の感触はどうでしょうか?
N: 耐久性はかなり良さそうですね。
M: クロスフェーダーの感触は良いですね。フェーダーのノブも絶対に飛んだりしなさそうだし、安心感があります。Pioneer DJのフェーダーは結構、最終形なところまで来てる感じですね。
—— DJM-750MK2とDJM-900NSX2を比較してみてどうでしょうか?
M: いろいろいじってみて、レイアウトや機能的にもDJM-900NSX2とほとんど変わらない感じですね。
機能もほぼ同じで、それで値段が全然安いならば、かなりお得に思えますね。
—— では、もう一つ、ターンテーブルPLX-1000のほうですが、お二人はPioneer DJにて以前、モニタリング体験をしたそうすね?
M: Pioneer DJのスタジオで音の聴き比べをしました。
N: 針を変えてみたり、ミキサーを変えたりして。それでどう音が変わるか?とか、いろいろやりましたね。やっぱりミキサーを変えるとそのミキサーの音の特色は出ちゃうんですけども、PLX-1000に関しては良い意味でクリアーといいますか、繊細な感じのイメージはしましたね。他のターンテーブルと比べても重量もあるんで、その分、より繊細になってるのかもしれないけど。より細かい表現が出来るっていう感じはしますね。
—— DJ機材としての使い勝手という点ではいかがでしょうか?
N: やっぱり立ち上がりの早さは良いですね。スタートボタンを押したらすぐに音が出るので、CDJを使っている感覚に近いというか。ターンテーブルの立ち上がりの良さっていうのは、非常に重要だと思うんですよ。昔、30、40万円くらいするような高価なターンテーブルで立ち上がりの早いものがありましたけども、そういう意味でPLX-1000はこの値段で実現しているのはセールスポイントではありますね。
M: 僕はこのアームのカーブが好きですね。以前、ストレートアームのターンテーブルを使った時に、全然それが僕には合わなくて。あとライトがブルーっていうのも好きです。
N: あと、コードが替えられるっていうのは良いですね。自分でカスタマイズすることで、音質的にもさらにパワーアップ出来るんで。そういう部分はこれまでのターンテーブルとはちょっと発想が違いますよね。
—— ちなみに他にPioneer DJの機材で愛用してるものはありますか?
N: ヘッドフォンですね。HDJ-2000MK2を使わせてもらっていますが、素晴らしくタフだし、非常にコンパクトにもなるし。
M: あれは本当に凄いですね。
N: 壊れないもんね。普通、ヘッドフォンは現場でずっと使っていると、多少どこかダメになってくるもんなんですけど。
M: イヤーバッドも交換出来るけど、結構使ってるわりには、まだ全然剥がれてこないですよね。今まで使っていたのはすぐにボロボロになっていたけど。あと、DJM-900NSX2はレコーディングの時にも使っています。オフィシャルのミックスCDで音源を取り込む時とかも必ず使っていて、やっぱり安心ですよね。
N: CDJとかも使っていてタフですよね。やっぱりPioneer DJの製品は全部タフっていうことなんでしょうね。
あと、コードが替えられるっていうのは良いですね。自分でカスタマイズすることで、音質的にもさらにパワーアップ出来るんで。そういう部分はこれまでのターンテーブルとはちょっと発想が違いますよね。
—— DJ機材に関して、もっとこういう機能があればっていうのはありますか?
N: 今の時点でもう完璧なんじゃないかな?って思いますね。自分は割とシンプルに使っていますけど、それ以上に凄い機能が盛り込まれているし。
M: 多分、DJM-750MMK2もエフェクトとか、マスターすれば相当いろんな機能があるんだろうなって思いますね。唯一付けて欲しい機能はターンテーブルでもミキサーでも良いんですけど、CDJにあるループの機能ですね。レコードでも簡単にループ出来る機能があれば、例えば曲を作る時とかにループのシミュレーションとかも出来るんで。
—— お二人は現在、7インチレコードをメインにプレイされていますが、今の7インチのムーブメントに関してはいかがですか?
M: 一時期凄く盛り上がっていたのが、今は少し落ち着いているけど、またDJ Koco君とかの登場で盛り上がっている感じがしますね。
N: イギリス行ったら、さらに7インチが盛り上がっていて。新たに7インチのブートやエディットがたくさん出ていたり。次の世界が広がって行っている感じですね。ジャンルにこだわらずヒップホップもジャズもそうだし、ハウスも出てきているから。
M: 『Captain Vinyl』でも90年代のハウスがピークタイムで盛り上がって、凄いですよね。
N: あの時間は盛り上がるよね。フロアのノリが変わる。7インチの世界は奥深いですよね。現場でやってても、音質の違いが出ますし。
—— 一時期、ビズ・マーキー所有の世界に2台しかないカスタムメイドの7インチ専用ターンテーブルが話題になりましたが、ああいうのはいかがでしょうか?
M: 今、あれを作ったら物凄く売れるんじゃないですかね?
N: ぜひ欲しいですね。Pioneer DJに作っていただきたいです(笑)。
取材日:2017年8月17日
DJ NORIとMUROによる7インチレコードを中心とし、ジャンルにとらわれない世界観を表現するCaptainVinyl。他の誰にも表現できない世界を創造し、多くのミュージックラバーを魅了する。
86年に渡米、ラリー・レヴァンと共にプレイする経験を持つ。DJとしてのキャリア35年以上となる今も、ラジオ出演、ロンドンやNYでの海外公演、さらにレギュラーパーティGALLERY、TREEをいまだ精力的に続けており、音楽のかけ方、音楽そのものの表現方法を知る、世界の至宝と呼ばれる所以となる。
日本が世界に誇るKing Of Diggin'ことMURO。80年代後半からKrush Possee、Microphone Pagerでの活動を経て99年にソロとしてメジャーデビュー。以来、MCとしてはもとより、「世界一のDigger」としてプロデュース/DJでの活動の幅をアンダーグラウンドからメジャーまで、そしてワールドワイドに広げていく。