DDJ-1000に乗り換えて、さらに“カマしたった”感みたいな部分が増えましたねPunpee
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演奏性の高い本格的な操作インターフェイスを可搬性に優れた筐体に凝縮したREKORDBOX DJ専用コントローラー
—— 以前、クラブなどでCDJを使ったDJプレイを観た記憶があるんですが、今は結構、パソコンにDJコントローラーという組み合わせがメインとなっているのでしょうか?
Punpee(以下K): そうですね。基本的には、ここ何年かはコントローラーを持ち込めたりする場合はコントローラーをメインに使っています。単純にプレイしやすいんで、持って行けるところには結構持って行ってる感じですね。
—— 現在はPioneer DJのDDJ-1000を使われているそうですが、一番最初に使ったコントローラーはDDJ-S1だそうですね?
P: DDJ-1000と比べると全然小さくて、まだサンプラーも付いていませんでしたね。最初に使ったのが、『田中面舞踏会』っていうイベントをリキッドロフトでやった時(2012年)で。自分の前のDJがKEN-BOさんだったんですけど、KEN-BOさんに「なにこれ、光ってて格好いいね」って驚かれた記憶があります。DJブースにドスンと乗っけて、電源を付けた時にイルミネーションが光ったりとか。そういう“カマしたった感”みたいなのはありましたね。
—— 機材でカマすっていうのは面白いですね(笑)
P: その時にTHE OTOGIBANASHI'SのBimって奴がいたんですけど、彼も「凄いっすね」って驚いてて。まだ若かったですけど、「これ格好良い」って、同じ物を買ってましたね。
—— DDJ-S1の次はDDJ-RXを使われてたんですよね?
「もう、これ一台で出来るなみたいな」っていう感じで、現場で使うようになりましたね。
P: 『田中面舞踏会』にも遊びに来ていたPioneer DJのスタッフの方に勧められて、DDJ-RXを使うようになりました。これにはサンプラーも付いていて。あと、パッドのエフェクターの感じとかも使いやすくて。それからは「もう、これ一台で出来るなみたいな」っていう感じで、現場で使うようになりましたね。
—— DDJ-S1からDDJ-RXでは、DJコントローラーとしてかなり進化したという印象ですか?
P: そうですね。自分の中では、サンプラーの部分がすごく進化した感じで、結構喰らった記憶があります。
—— DDJ-S1はソフトウェアが当時はSerato ITCH専用(現在はSerato DJ Pro対応)で、DDJ-RXはrekordbox dj専用のコントローラーですが、Seratoからrekordbox djへの移行はいかがでしたか?
P: 結構、普通にすんなり行けましたね。あと、『田中面舞踏会』のクリスマススペシャル(2016年)の時に、映像を使ったセットをやろうと思っていて。その時にPioneer DJのスタッフの方に聞いたら、ちょうどrekordboxに新しく映像が導入されたっていうことで、教えてもらって。映像を3Dにして回転できたり、エフェクトの機能とかもいっぱい付いていて、すごく面白かった。何となくは知ってたんですけど、まさかこんなに簡単に使えるとは思わなかったし、「こういう機能もあるんだ!」って、驚きましたね。
—— そして、今年1月に発表されたDDJ-1000を現在は使われているということですが、DDJ-RXからDDJ-1000に変えてみて、率直な感想はいかがですか?
P: DDJ-1000を最初に使ったのが、今年3月にやった弟(5lack)のワンマンライヴの時だったんですが、ジョグホイールが大きくなって使いやすくなったのと、あとジョグホイールの真ん中に画面(ジョグディスプレイ)が付いて、さらに“カマしたった”感みたいな部分が増えましたね。
—— DDJ-1000を導入したことで、さらにカマせると(笑)
P: やっぱり、そういうのは結構大事だと思うんですよね。弟のワンマンの時のバックDJでもそうですけど、格好良く見えたほうが良いじゃないですか。光の感じとかも含めて。大きいフェスに出た時も、手元がLEDスクリーンに映った時とかに、「何使ってるんだろう?」って見られますしね。あとは、DDJ-1000はパネルの素材の感じとかも良いと思いましたね。最近、Hot toysで作ったフィギュアだったり、光るシューズだったりまだHIP HOPの周りで誰もやってないことに触れる機会が多かったので勝手に自分の中でLINKさせたりしてました。
—— そのワンマンのバックDJでDDJ-1000を初めて使った際、DDJ-RXからの移行という部分での問題はなかったですか?
P: 使い方はほとんど変わらなかったので、すんなり移行は出来ましたね。あと、画面とかキーの設定も簡単に出来て。DDJ-RXにあったエフェクターのツマミが一部無くなったけど、パッドのほうでアサインすれば同じように使えるんで、そこも問題無かったです。使いやすさはDDJ-1000のほうが上がった気がしましたし、サンプラーとか、ライヴDJとかでもちゃんと使えるっていう感じでしたね。
—— ジョグホイールのディスプレイに表示されている情報に関してはいかがでしょうか? 基本的にはパソコンの画面を見なくてもDJが出来るように設計されています。
P: パソコンを見なくても大丈夫になったっていうのは、デカいのかもしれないですね。特にBPMが出るのは結構助かりますね。あとは設定で色を変えたりとかして、見え方を調整出来るのも良いですね。
—— あと、ソフトウェア部分の改良によって、ジョグホイールの動きと実際に出る音のレスポンスが、今までのコントローラーの中でも最も良いのですが、スクラッチなどをやってみての反応はどうですか?
P: アナログでスクラッチをしてた世代からするとデジタルデバイスの反応だったり再現度が高いのはとても嬉しいことです。CDJでやっていた時は、結構スクラッチをしてたんですけど、DDJ-1000は全くそれに近い感じはしましたね。あと、ジョグアジャスト機能でジョグの回転の重さも変えられるのもすごく良いですね。
—— フェーダーにはDJM-900NXS2と同じく、MAGVEL FADERというフェーダーを使っていますが、こちらはいかがですか?
P: ゴム感というか、ムニュ感が増しましたね。ムニュ感イコール高級感みたいな。名前も耐久性もありそうですね。あと、フェーダーの遊びの設定がrekordboxで出来るようになったりとかして、それが凄いなって。
—— パッドの部分ですが、普段よく使うのはサンプラーやエフェクター機能などですか?
P: そうですね。ホットキューとかは一応、曲によっては設定しているくらいで。あとはループやサンプラーが多いですね。サンプラーもバンクも4つあって、ストレスなくプレイできる感じがします。
—— 中央のミキサー部分で使う機能は何でしょうか?
P: DJM-900NXSシリーズを使っていた名残じゃないですけど、SOUND COLOR FXのフィルターはたまに使いますね。あとはBEAT FXのところのエコーとかもですね。わりと使いやすいですね。
—— 自分なりの変わったプレイのやり方とかはありますか?
P: 弟のライヴの時に1、2チャンネルをメインで使いながら、4チャンネルから、528ヘルツっていう、宇宙の周波数の音を小さい音量で出したりしてたんですよ。何も効き目が無いと思うんですけど(笑)、そういうのもDDJ-1000の機能の使い方で結構面白く出来るのかなって。
—— 今後、DJコントローラーに入れて欲しい機能はありますか?
P: 映像も使えるし、自分の中ではもう結構全部揃っている感じはありますね。あとは、スーパー耐水機能みたいのがあれば嬉しいですね。やっぱり飲み物(をこぼす)問題とかもありますし。これで防水だったら、何も言うことはないですね。水中で使いたいくらいです(笑)。
—— これまでDJコントローラー3台使われたり、他にも色々とPioneer DJのDJ機材を使われてきたと思いますが、Pioneer DJの製品に対する印象はいかがですか?
P: 毎回、音が綺麗っていう印象はありますね。あと、デザインの話になっちゃいますけど、変に派手じゃない。スマートというか、黒一色だったりとかいうのが格好良いですね。業務的な製品ならではの、格好良いデザインっていうのがあるじゃないですか。DJM-900NXS2に関してもそうだし、そういうのは前々から感じるところはありました。
—— 今年、これからフェスとか色々出られると思いますが、そこでもDDJ-1000は使っていく予定ですか?
P: 7月に弟がフジロックに出るので、その時にまた使わせていただきます。他にもいろいろと大きい会場のところでやる機会があるので、その時は毎回使おうかなって思ってますね。
06年Libra主催【UMB】東京代表。トラックメイカーとしてもRhymester、Seeda、TOWA TEI、tofubeats、後藤正文等、Hip Hopアーティストを中心にトラック、REMIXを提供。2009年Akai主催によるサンプラー・バトル【MPC Gold Fingaz Kitchen】優勝など、良い言い方だと幅広く活躍中、悪い言い方だと何だかよくわからなく活動中。
自身のグループPSGでの1stアルバム『David』の発表や、グループとしてFUJI ROCK FESなどの出演、曽我部恵一との共作、block.fm主催のradio program「Mixxed bizness」の展開やRedbullのTVCM、TBS系 水曜日のダウンタウンのOP他、断れない性格ゆえに色々活動(中)。
2012年には作品集MIX「Movie On The Sunday Anthology」が発売、PUNPEEの懐を少し潤わせた。
2016年 国内初の3D VR配信番組、宇多田ヒカル「30代はほどほど。」にDJとして出演。
2017年1月に発売される宇多田ヒカル「光 -Ray of Hope MIX-」のオフィシャルRemixを担当し、同曲はプレイステーション用ゲームソフト「Kingdom Hearts HD 2.8」全世界共通のオフィシャル・テーマソングとして起用された。
2017年7月、ソロアーティストとして、FUJI ROCK FESTIVAL’17「WHITE STAGE」に出演。
2017年10月、初のソロアルバム『MODERN TIMES』を発表し、ワンマンツアーライブ「Journey into Mystery Tour 2017」を開催。
2018年3月、SPACE SHOWER MUSIC AWARD「BEST HIPHOP ARTIST」受賞、CDショップ大賞「準大賞」受賞。同月、自ら1stアルバムを解説した『MODERN TIMES -Commentary-』をストリーミング配信にて発表。しかしまぁ、大事なのは今後である。