2012年にDJのキャリアをスタートしてから、東京を拠点に世界中の音楽フェス・ナイトクラブ・ライヴショー・企業パーティーなどに出演。大いにフロアを沸かせるアジアトップクラスDJ。また国内外問わず、数々の著名アーティストへのリミックス楽曲の提供をはじめ、音楽ゲーム、企業CM、アーティストへの楽曲提供・編曲など、プロデュース活動にも積極的である。
彼の楽曲はアメリカ・日本・ヨーロッパを筆頭に174ヶ国を越える世界中の国々で再生され、アニメ主題歌にも起用された「Contradiction feat. Tyler Carter」は総ストリーム数3000万回を超える。
2019年よりコロナナモレモモ(マキシマム ザ ホルモン2号店)のメンバーとしてロックバンド活動をスタート。楽曲の打ち込みパートのアレンジを手掛けながら、ライヴでは”DANGER×DEER”名義でDJを担当している。デビューシングル「恋のメガラバ」はYouTube再生回数1500万回を記録。
2022年よりフリーランスとして再始動。自由で柔軟な創造力を活かし、心を踊らせる音楽・エンターテイメントを追求し続ける。常に最先端なサウンドを探究し、ポップに創り上げる。それが彼の音楽・DJスタイルである。
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KSUKEさんがDJを始めようと思ったきっかけは何ですか?
もともとゲームが大好きで、『beatmaniaIIDX』など、いわゆる“音ゲー”を兄の影響で小学生〜中学生の時からよくやっていました。その頃はダンスミュージックという認識はなかったのですが、ゲームを通して電子音楽にはよく触れていました。そういうバックグラウンドもありつつ、大学に入ってから、イベントサークルをやっていた大学の友達に誘ってもらって初めてクラブに遊びに行ったんです。もうそこで「やばい、この空間やばい!!!」って衝撃を受けて、そこから自分でもクラブに遊びに行くようになって。最初はDJの人が何をしているのか全く分からなかったけど、ただひたすらDJの人が輝いて見えました(笑)。プレイをしている姿が凄くカッコ良かったし、プレイが終わってフロアに出てきたらDJの周りに色んな人が集まってきて、みんなで乾杯をしたりしているのを傍から見て楽しそうだなと思ったんですよね。それで、自分ももっとクラブや音楽で楽しみたいなと思ったのをきっかけにDJを始めることにしました。当時はPCDJが流行り始めたぐらいの時期だったので、安い機材を買って、家でこっそり練習することから始めましたね。
DJを始めたその当時、憧れたDJやアーティストはいましたか?
ずっと中田ヤスタカさんの大ファンなんです。機材を買ってDJを始めたぐらいの時に、中田ヤスタカさんとこしじまとしこさんのユニット「CAPSULE」が名古屋のダイヤモンドホールで行ったライブを見に行ったんですけど、凄く感動して、「俺もこのステージに絶対に立ちたい、どうやったら立てるんだろう?」と思って。そこから、家ではDJの練習しているけど、どうやったらクラブでプレイできるのかを考え始めるようになりました。
実際に、そこからどうやってクラブでプレイするようになったのですか?
まずMIX CDを作って、当時主流だったmixiで名古屋のクラブ数店舗に「DJを始めたので良かったら聴いてもらえませんか?」って感じで連絡をしたら、ひとつのクラブから「良かったら明日遊びに来てよ」と返事を頂きました。それでMIX CDを持って遊びに行ったら、今度はそのお店の方が「MIXいいね!これからいつでも遊びに来なよ」って、いつでも迎え入れてくれました。当時まだ僕も何も分からなくて、せめて何かをと思ってグラスを下げたり掃除を手伝っていたら、今度は「ありがとう!よかったらうちで働いてよ!」って言われて、そのクラブのバーテンダーとして働くことになったんです(笑)。バーでお酒を作ったりしていると知り合いが増えるのはもちろん、色んなDJのプレイが間近で見られるので、カッコいい曲があったら働きながらでもすぐにShazamして、朝家に帰ってからその曲をダウンロードして、繋いでみる練習をずっと繰り返しやっていました。DJとしては最高の学びの場所でした。そうやって色んなDJを見て聞いているうちに “自分がプレイした方が盛り上げられるんじゃないか!?” という謎の自信が湧いてきて、意気投合した仲間と一緒に自分達のイベントを始めることにしたんです。そしたらイベントをやる度に評判を聞きつけたお客さんがどんどん来てくれるようになって、“ここが自分の輝ける場所なんじゃないかな” と少しずつ思えるようになりました。なので、僕のDJとしての始まりは名古屋でイベントをはじめたことなのかなと思います。
ご自宅で練習をしていたところからクラブでプレイするようになってから、DJとしてよりスキルアップするためであったり、今のスタイルを形作っていくためにまず実践したことは何でしたか?
正直なところ、僕も始めた頃は、音楽は好きだけど技術的に詳しい人間ではありませんでした。それこそ始めた時はEQの意味さえも分かっていなかったので、どういう風にEQをいじったら聞こえやすくなるかとか、“このツマミを触ったら何が変わるのか” みたいなことを、クラブの営業前とかDJリハの時とかに早めに行って、ひとつずつ触って学んでいました。
よりパフォーマンス的な部分で、影響を受けた、もしくは参考にしたアーティストはいますか?
パフォーマンス面で影響を受けたアーティストは沢山いますが、特に印象に残っているのはサイケのSKAZIですね。イベントでSKAZIのDJプレイを見た時に、彼の鳴らしている音と、手や頭の振りが完全にシンクしていて、あたかもSKAZIの身体から音が出ているようなパフォーマンスは衝撃的でした。それを見てお客さんも凄く盛り上がっていましたし、マイクパフォーマンスとかもほとんどしていなかったので、本当に音だけでキャッチボールをしているのに感銘をうけました。それで当時、誰もやっていないことは何だろうってなった時に、もっと身体をつかって表現しようと思って。名古屋で活動していた時は少し大げさなくらい頭や身体を動かしていました(笑)。そしたら、やっぱり色んな意味で注目が集まったのか、終わった後に「さっきDJしてた人だよね、今度イベント行くよ!」って声をかけられることが増えました。僕はダンス経験者ではないですけどDJプレイしながら身体を使って表現・パフォーマンスをすることで、自分の楽しんでいる気持ちがお客さんによりダイレクトに伝わると思うし、自分はそういう部分で同じ感覚を持ったファンを獲得できているんじゃないかと思っています。
PCからCDJに移行したのはいつ頃でしたか?
移行をしたのは始めて3年ぐらい経った頃ですかね。やっぱり現場が大きくなればなるほど転換をよりスムーズに行うためにCDJでプレイできるようにシフトしないといけないなと思うようになったんです。PCDJから始めたのもあって、最初は移行をするのがなかなか辛かったのですが、数を重ねるうちにすぐに慣れました。配線で手間を取ることも無くなって転換もスムーズにできるようになりましたし、DJパフォーマンスも含めて様々な面で進化できました。
パフォーマンスの動作的な部分で、KSUKEさんがご自身で思う、よくやるDJプレイのテクニックは何ですか?
僕がよくやるのはSOUND COLOR FXのFILTERとBEAT FXのECHOを一緒にかけて、エフェクトの強弱をキックに合わせて変えてメリハリを付けてみたり、ビルドアップの時に音のHIGHをリバーブで飛ばしながら、耳が痛くならないようにEQでHIGHを抑えつつ、サビに入ってキックが戻るところでバサッとエフェクトを切って音圧を出したりします。BEAT FXのREVERBとかECHOであえて音像をズらしておいて次の曲にミックスし終わった瞬間にエフェクトを切ってぼやけた視界がもとに戻った感を表現することもよくやります。あとはジョグを回すバックスピンのパフォーマンスは結構やりますね。1番お客さんから見ても分かり易いテクニックだと思います。機材をいじるところだけじゃなくて、身体の使い方も含めて格好良く見せるのは本当に大事だなと思います。やっぱり自分が楽しみながらその姿を見せないといけないと思っているので、手先だけじゃなくて全身でリズムを取りながらエフェクトのツマミを回して気持ち良さそうにしていると、それを見て音を聞いている人にも高揚感が生まれフロアに一体感が生まれると思うんです。そこでまた音楽だけでのお客さんとのキャッチボールが生まれますし、自分はそういうDJとしての魅せ方やパフォーマンスが好きで、得意だと思ってます。
ちなみに初めて買ったPioneer DJの機材は覚えていますか?
最初に買ったのはミキサーのDJM-800で、その後にDJM-900nexusを買いました。初めて買ったCDJのモデルが何だったか定かではないんですけど、使い始めたのはCDJ-2000nexusですね。ちょうどSYNC機能が搭載された時です。1曲のうち20〜30秒しか使わないでショートミックスをしたり、曲中に部分的にループを組んだものを、3台のCDJでガンガン混ぜたりしていたので、SYNC機能はとても重宝していました。CDJ-2000nexusだからPCDJからスムーズに移行できたのもありますね。クラブでプレイする時で多い場合は4台フルに使っていて、せっかくPCDJからCDJに切り替えたならPCをDJブースに置きたくなくて、4台目は主にプレイ中の楽曲チェック用としても使ったりもします。
最近だと現場にCDJ-3000が置いてあることも多いと思いますが、KSUKEさんはもうかなり使っていますか? プレイで使用してみていかがですか?
今のところは半々ぐらいだと思います。でも全国的にかなり増えたとは思います。画面が大きくなったのはもちろん良いんですけど、PLAYLISTボタンから素早くお目当ての楽曲に飛べたり、検索など、楽曲のSEARCHがし易くなったのは凄く嬉しいですね。PCDJからCDJに変えた時の1番の難点が曲のサーチ、検索だったんですよ。PCDJの時のようにキーボードで文字を打ってすぐに曲を探し出せないのは正直辛かったですが、、今ではタッチディスプレイ内でキーボードと同じ配列で文字が出てきてスムーズに検索ができるので凄く便利ですね。あと最近になって便利だなと思うようになったのはTAG LIST機能。「今はかけないけど、あとでかけようかな」っていう曲を取り敢えずタグして溜めておけて、それをボタンひとつで見られるので、とても便利ですし今後もっと使いこなしていきたい機能だと思っています。
そして最近ご自宅には、CDJ-3000とNXS2シリーズの機能や仕様を踏襲した一体型の最新モデルであるXDJ-RX3を導入したそうですが、実際に使ってみていかがですか?
最近の現場では、CDJはCDJ-3000かCDJ-2000NXS2で、ミキサーはDJM-900NXS2が置いてあることがほとんどですので、このXDJ-RX3があれば完全に現場対応できる事前準備が可能だと思っています。サイズもコンパクトで自宅に置いても収まりが良いですし、電源ケーブルも以前のセットアップだと最低3本は必要だったのが1本で済むのでとにかく配線が楽です。何よりミキサー部分がほぼDJM-900NXS2なので、現場を想定してのプレイを試し易いです。ジョグの硬さを変えられるのも良いなと思います。操作部分に関しては驚くぐらい、ほぼNXS2シリーズですね。
ミキサー部分のSOUND COLOR FXとBEAT FXはDJM-900NXS2と全く同じですし、タッチディスプレイはCDJ-3000よりも大きい10.1サイズで、一体型の仕様としては十分過ぎますよね。
何年も前に、初めて一体型が発売された時も気にはなっていたのですが、ハード面でも機能面でも正直物足りない印象を受けたので、購入するのを躊躇していました。でもXDJ-RX3は現場との差を感じないです。現状Pioneer DJの最新の機材なので、XDJ-RX3でUSBを読み込めたら現場にある機材でもUSBの読み込みは大丈夫だなっていう安心感もありますね。なので、プロの方でも家で活用できる機材だと思います。あと、バーや結婚式会場などのクラブじゃない場所でやるパーティーの時にXDJ-RX3はピッタリだと思います。というより オーバースペックなくらい高品質な機材だと思います。
それこそ、これからUSBでのDJに挑戦したい方や初心者の方にもお薦めのモデルですよね。
本当にそうだと思います。個人的には、DJ機材は最初から高い品質のものを買った方が良いと思うんですけど、CDJとミキサーの3台をセットで揃えると結構な値段になるじゃないですか。でもXDJ-RX3だったら、ちょっと頑張れば手の届く高品質な機材で、これさえ手元にあればこの先何年間は現場でも十分対応できると思うんですよ。
ではXDJ-RX3の使用を通じて、今後トライしてみたいことはありますか?
僕は現時点でMEMORY CUEを大量に設定する派なので、HOT CUEを最大限活用できていないんです。でも色んなDJのプレイ動画を見ていると、HOT CUEをサンプラーみたいに使っている人がいたりして、ショートミックスの可能性が広がりますし、とても面白そうだなと思います。CDJ-2000NXSだと難しかった部分も、このXDJ-RX3はパッド部分の反応も触り心地も良いですし、仕込みもし易いので色々と挑戦したいですね。
CDJ-3000ではHOT CUEのレイアウトが大きく変わったので、CDJ-2000NXS2よりも使い易いと思います。
そうですよね。でもボタンを押す動作って普通にやると意外と地味なので、ただポンポンって叩くだけじゃなくて、それをいかにパフォーマンスとして格好良く見せるかも今後の課題になってくるかなと思っています。
Text: Hiromi Matsubara
KSUKE氏によるXDJ-RX3を使ったパフォーマンス動画はこちら