DJ、プロデューサー。98年にm-floを結成。ソロとしても国内外アーティストのプロデュースやRemix制作を行う。「Incoming... TAKU Remix」で “beatport”の『beatport MUSIC AWARDS 2011 TOP TRACKS』を日本人として初めて獲得し、その実力を証明した。アニメ「Panty&Stocking with Garterbelt」、ドラマ・映画「信長協奏曲」、ゲーム「ロード オブ ヴァーミリオン III」など様々な分野でサウンドトラックも監修。また、国内外でのDJ活動でクラブシーンでも絶大なる支持を集め、LOUDの“DJ50/50”ランキング国内の部で3年連続1位を獲得し、日本を牽引する存在としてTOP DJの仲間入りを果たした。
自身が立ち上げた日本初のダンスミュージック専門インターネットラジオ&ポップカルチャーメディア「block.fm」は7周年に突入し、新たな音楽ムーブメントの起点となっている。2018年3月7日には、15年ぶりに初代メンバーLISAが復帰しリユニオンしたm-floのNEW EP「the tripod e.p.2」をリリース予定。
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今回、新たにXDJ-RX2を導入して新たなシステムを組まれるということですが、今まではクラブなどの現場で、どういうDJ機材を使われてきましたか?
CDJがCDJ-2000NXS2で、ミキサーはDJM-900NXS2ですね。それから、DJ用ソフトウェアはrekordboxを使っています。
ちなみにrekordboxは結構以前から使われていたんですか?
割と早めから使っていました。rekordboxを使って、パソコンとDJ機材をLANケーブルで繋げてやるっていうのを、僕とか大沢(伸一)さんがいち早く取り入れて。おそらく、大沢さんが一番早かったかな?
ドラッグ&ドロップでCDJにデータをスピーディに落とせることが事が良くて、ずっと使ってたんですけど。さらにrekordboxにパフォーマンスモードっていう機能が足されて、いろんなエフェクトの遊びとかが出来るようになったのも大きかったですね。
そんな中でも、特にリクエストした部分は何でしょうか?
トルクを強くして、音の立ち上がりが早くなるようにっていうのは強くお願いしましたね。CDJと同じようにピッチ(=テンポレンジ)が±8%、16%、50%って変えられるんですけども、ピッチを切り替える瞬間もすごく滑らかで、これには驚きましたね。
オールインワンのDJシステムであるXDJ-RX2を触った、最初の印象を教えてください。
こっちのほうがやれることが多いですね。使い勝手とか、遊べたりとか、演奏するっていうところではXDJ-RX2の方が長けている。あと、こういうオーディオインターフェイス付きのDJ機材は以前からありますけど、これはUSBメモリを挿せるという事も大きいですね。パソコンが無くても、パッとUSBを挿せばすぐに使える。TPOに合わせて、いろいろと対応出来るっていうのがすごく良いですね。
今までもオールインワンのシステムやDJコントローラーなどは使用されてましたか?
試してみたことはあります。(スタジオ内に置いてあったDJコントローラーDDJ-RXを持ってきて)これと見比べてもらうと分かると思いますけど、XDJ-RX2は必要な部分だけを残して、余計な部分を削ぎ落としているという印象ですね。チャンネル数もDDJ-RXは4チャンネルで、XDJ-RX2は2チャンネルと少ない。今まではCDJ3台使いで、一番右側をサイレン音とかサンプラーみたいな使い方をしていたんですけど、XDJ-RX2はパッドを使って同じことが出来るんで、2チャンネルでも十分だなって。それから(DDJ-RXには無い)ディスプレイの存在も大きいですね。
XDJ-RX2はこの大型タッチディスプレイが大きな特徴ですが、認識性や操作性などはいかがでしょうか?
パッと見の一覧性があって、一つの画面で十分情報が得られますね。プレイをしていて、自分がどういう状況にいるかっていうのがすぐ分かる。曲の一覧も簡単に見れて、ブラウズも出来るっていうのは、CDJ-2000NXSを使っているのと全く同じ感覚です。この画面の大きさっていうのも関係してるでしょうね。普段はパソコンをベースに使っているんですけど、このディスプレイだけでも、十分な情報が分かるようになったという感じです。今まで、rekordboxとDJコントローラーという組み合わせと、CDJをシンプルに使うっていうのでは、二つの間にちょっとした壁みたいのがあったんですけど、ある意味、その壁を取っ払ったモデルがこれなんじゃないかっていう印象を受けましたね。DJM-900NXS2とCDJ-2000NXS2が一つになったような感覚により近づいたっていう感じです。
先ほど、XDJ-RX2は「遊べる」と仰ってましたが、具体的には?
要はパッドを使ったパフォーマンスですね。今までのDJコントローラーとかでも、そういうことは出来ていましたけど、XDJ-RX2はそれがもっと簡単に出来る。よりCDJ-2000NXS2に近いような感覚で、DJコントローラーを触っている感じです。
普段、よく使うエフェクトは何でしょうか?
いつも使うのはECHOとROLL。この二つはよく使いますね。あとはバックスピンだったり、ブレーキだったりとか、SLIP ROLLとかですね。
ジョグホイールの操作性などはいかがですか?
表現が大雑把になってしまいますけど、ずっしりした分、本当にCDJが近づいてきたかなって。個人的にはCDJと同じサイズのジョグホイールだと嬉しいんですけど、僕はあまりスクラッチとかはしないので。もちろん、スクラッチも慣れれば、このサイズでも出来ると思いますね。
S9で特に気に入っている部分はどこでしょうか?
「MAGVEL FADER PRO」っていうクロスフェーダーがめちゃくちゃ良いです。今まで使ったクロスフェーダーの中でも、一番だと思いますね。とにかくスクラッチがし易くて、ツマミの掴み心地も良いし、動きも滑らか。それでいてフェーダーが端に行ってもカチカチと鳴ったりもしなくて、クッション性が素晴らしい。音のキレも良くて、フェーダーを少し動かせばすぐ音が出る。あと、ツマミの部分が絶対に抜けないようになっているのも安心。それから「FEELING ADJUST」っていう機能でフェーダーを重くしたり、軽くしたりとか、自分の好きなように調整できるのも良いです。耐久性に関しては、俺もずっと使っていますけど、今のところ全然問題ありません。この「MAGVEL FADER PRO」はターンテーブリズムの第一線にいる人ならば間違いなく大絶賛でしょうし、クロスフェーダーとして他の追随を許さないくらいのものを作ったと思います。
S9で他に気になっている機能などはありますか?
フェーダーシンセというのが最近面白くて。縦フェーダーを使って「ドレミファソラシド」ってシンセが弾けるんですよ。オクターブも変えられて、エコーの量とか、サイン波とかも調整出来て、パソコンがなくても、あらかじめセッティングさえしていればお手軽に使える。まだ、そんなに使ってはいないですけど、これをもっと突き詰めれば、面白ことが出来るんじゃないなかって思いますね。
新たにXDJ-RX2を導入される理由の一つが、rekordboxの映像/ビデオ機能「rekordbox video」を使うためとお伺いしましたが?
一番大きいのがそこですね。2018年春に向けて、DJプレイに映像を取り入れようと準備していて、「rekordbox video」をコントロールするのに適しているのがこれ(XDJ-RX2)なんですよ。DJプレイに関して、映像のシンクロっていうのが、オーディエンスへの次の見せ方として重要なポイントなんじゃないかと感じていまして。そのために、映像をしっかりリンクさせるためのシステムに移行しようとしているところです。
具体的にどのように映像を作り込んでいくわけですか?
これからVJチームと一緒になって、映像の準備をしていくんですけど、単純にDJプレイ中の背景にビデオが流れるだけじゃなくて、映像のほうもより機能的なものになるように考えています。例えば、映像をミックスした時に、単純にワイプで入ってくるとか、一緒に混ぜるとかだけじゃなく、右側の曲には右側のキャラクターがいて、左側の曲には左側のキャラクターがいて、その二つのキャラクターがくっついたりとか。そういう面白い映像の遊びを取り入れたいと思ってます。
今後、現場でXDJ-RX2を使う機会が増えると思いますが、そうなるとクラブやイベント側に用意してもらうというよりは、自分で持っていく感じになるのでしょうか?
そうなりますね。自分で使う機材は、やっぱり自分で責任を持たないと。東京の良いクラブであれば、必ず全部揃っているし、ちゃんとしているところであれば、テックライダーを出しておけば、その通りに準備してもらえるけども、必ずしも全部がそういうわけじゃないんですよね。特に海外だと、言った通りの機材が揃ってないなんていうトラブルはしょっちゅうなんで。怒っても何も解決しないから、結局、自分で準備していくしかない。例えば「LANハブが無い?!」とかいう心配はXDJ-RX2があれば無くなる。海外へ行く時に、そういう心配が一気に減るのは大きいですね。
今後の現場での使い方についてですが、XDJ-RX2に今まで通りパソコンも一緒に使う感じですか?
そうですね。映像の部分を除けば、基本的にはXDJ-RX2だけでも十分使えますが、でも、両方使うんじゃないかなって思いますね。今でも、CDJを使う時はパソコンを使う時もあれば、そうじゃない時もありますし、両方やるんですよね。DJやってる時って、お客さんとのコミュニケーションじゃないですか。プレイ中にオーディエンスがどういう顔をしてるか、見ていたいんで。そういう時は、ジョグダイヤルを使ってCDJ側で曲を探したりするんですよ。だから、ケースバイケースですね。
XDJ-RX2に対して、さらに要望はありますか?
XDJ-RX2はプロとアマチュアとの境界にある機材だと思うんですよ。今でも十分ですが、敢えて言うならば画面もジョグホイールももっと大きくなって欲しいですね。さらに理想を言うと、パソコンが無くても、映像の機能が使えたら嬉しいですね。けど、それは理想で、そういうことを言い出すと、どこまでそのニーズがあるかっていうところだとは思いますけどね。
では、XDJ-RX2のさらにプロフェッショナルバージョンみたいなものがあれば?
もちろん、使いたいですね。もともと、アメリカやヨーロッパでは出張ディスコ=モバイルDJのサービスをやっている人たちのニーズが多くて。DJコントローラーは、そこを意識したっていうのがあると思うんですけど。そういう中で、XDJ-RX2はUSBが挿せてパソコンが無くても使える部分は非常に強いと思いますし、今後、さらにいろいろな用途に対応出来るものになっていくんじゃないかなっていう印象がありますね。
最後に、これまでCDJ-2000NXS2とDJM-900NXS2にrekordboxという組み合わせで使っていて、これからはXDJ-RX2とrekordboxというシステムにもトライするわけですが、ここまで全幅の信頼を寄せているPioneer DJというブランドの優れている部分はどこだと思いますか?
Pioneer DJはプロのユーザーが多くて、さらにそんなプロフェッショナルなユーザーのヒアリングをすごく徹底していますよね。他のメーカーさんだとオーディオインターフェイスやソフトウェアだけを作って、ターンテーブルやCDJなどのハードウェアは他のメーカーの商品に依存していたりするけど、Pioneer DJの場合はそのハードウェア自体も自分たちの手で作っていて、さらにそれが実際に世界中のあちこちに置かれていて、毎晩のようにプロフェッショナルなユーザーたちが使っている。そのユーザーの体験してきたノウハウやフィードバックがPioneer DJには詰まっていて、それが次の機材にも繋がっている。そういうところにすごく大きな信頼性があるっていうのが、Pioneer DJというブランドの大きな強みだと思いますね。
曲作りを始めたい人は一回これを触ってみたら、こんな簡単にフレーズって生まれてくるんだってなると思いますよ。
AS-1はプリセットの数も豊富で、しっかり使える音色ばかりで、つまみいじってるだけでも遊べるし、制作のヒントになるアイデアの宝庫です。
ここ最近で一番DJから学んでバンドに大きくフィードバックがあったのは、ABBAの“Dancing Queen”でしたね。DJから学ぶことは本当に多いですよ。
ちゃんと現場の声や意見を吸い上げた上で開発されている機材は信頼出来ますよね。
DDJ-SX3が発表された時には、「こういうのが欲しかったんだよ!」って、すぐに飛びつきました。
何のためにミキサーにチャンネルが4つもあるのか、何のために機材のボタンやノブがこんなにあるのか考えて練習していくと使い方は無限にあると思います。
古い機材だとビットレートが低いことで音が粗い質感になることがその機材の個性になることもあると思いますが、TORAIZシリーズにとってのアナログフィルターは、そういうハードウェアの音の個性を示すポイントになっていると思います。
DDJ-1000に乗り換えて、さらに“カマしたった”感みたいな部分が増えましたね。
私はスクラッチとか、ジャグリングとか技術的なところがメインではなくて、どっちかと言えば、グルーヴでDJプレイをするタイプなので。『Red Bull 3Style』へ出場する際に、DDJ-XP1を使うことで何か自分の技術的な部分を補えるんじゃないかと思って、すぐに決めました。
見た目はすごくシンプルでクールだけども、それぞれの箇所がものすごく考えられていて、全てに関して意味がある。
XDJ-RX2はプロとアマチュアとの境界にある機材だと思うんですよ。
世の中のDJ達はきっとみんな感動したと思うよ。これは最初に感じたS9の魅力だね。
「MAGVEL FADER PRO」はターンテーブリズムの第一線にいる人ならば間違いなく大絶賛でしょう。
「MAGVEL FADER PRO」は本当に最高だよ。スクラッチDJにとっては夢のようなクロスフェーダーだね。
ミキサーもターンテーブルも、よりDJの意見を取り入れたものを作ったっていうのが明確に出てますね。
恐らくこの価格帯でここまでの空間表現が可能な同軸スピーカーは、他にはないと思います。