XDJ-1000MK2 Interview Feat. Reiji Okamoto Share

ここ最近で一番DJから学んでバンドに大きくフィードバックがあったのは、ABBAの“Dancing Queen”でしたね。DJから学ぶことは本当に多いですよ。

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オカモトレイジ(OKAMOTO'S)

1991年生まれ、東京都出身。中学校の同級生で結成された4人組ロックバンドOKAMOTO'Sのドラマー。

2010年CDデビュー。デビュー当時は年間平均100本を超えるライブを展開し、海外公演等も積極的に実施。幅広い音楽的素養を生かし、DJとしても活動中。

4月から全国ツアー「OKAMOTO'S 10th ANNIVERSARY LIVE TOUR 2019"BOY"」を敢行し、6月27日(木)にはOKAMOTO'S史上“最初で最後”の日本武道館ワンマンを開催予定。10周年イヤーに向け、ますます加速を続け精力的に活動を続けている。

Reiji Okamoto

早速ですが、まずXDJ-1000MK2を購入された理由を教えてください。決め手になった部分は何でしょうか?

僕の場合、DJをする時にはフィジカルを使うのであればレコードですし、レコードを使わないのであれば一番軽量なUSBを使うという部分に意味があると思っていて。だからディスクドライヴは要らなかったですし、もともとDJミキサーは持っていたので、XDJ-1000MK2にしました。あと例えば、どこかでちょっとしたイベントをやる時にCDJが無かった場合、XDJ-1000MK2だと他のCDJに比べて軽くて便利だと思ったんです。

Reiji Okamoto

XDJ-1000MK2は、多くのクラブに常設されているCDJ-2000NXS2の機能や操作性を踏襲しているモデルですが、使っていていかがですか?

もともとずっとレコードでDJをしていたので、ループを組んだりとかCDJでのテクニカルなことがそんなにできないんですよ。なので、XDJ-1000MK2はパッと見た時のボタンの量とかがシンプルで、自分のプレイスタイルに合った機材だなと思いましたね。細かい機能のことはまだ勉強中なんですけど、分からないでやってるこの感じも楽しいですね。

併せて、rekordboxも使用されているようですが、DJをする際にはどういう準備をされていますか?

まずは楽曲ファイルをコレクションに追加しているんですけど、そんなにCUEを沢山打ったりするタイプではないので、BPMでソートだけして、DJの前にプレイリストを4つか5つ作るぐらいですね。rekordboxの使い方も本当にシンプルだと思います。

プレイリストはどういう分け方にされていますか?

その日に自分がDJするクラブとかイベントによって分けてますね。UNITとかVisionとか、その日のイベントのタイトルとかをプレイリストのタイトルにしています。やっぱりクラブによって客層が違うので、自分が出るイベントやクラブによって変えていっていますね。それでプレイリストがいくつか溜まったら、全部をひとつのプレイリストにまとめて、また新しく次のイベントのプレイリストを作るんです。あと、新しく買って追加した曲は「NEW」とか、「邦楽」と「洋楽」と「K-POP」とか、本当にどうしようもない時に使う必殺の曲だけが集めたプレイリストとかで分けてますね。こないだは、『グランド・セフト・オート』のサウンドトラックだけでDJをしようと思って、そのためのプレイリストを作ったりもしました。

Reiji Okamoto

もともとレコードでプレイしていたところから、USBを使ってデジタルでプレイすることになったきっかけとタイミングはいつでしたか?

単純に、僕はこだわってレコードでプレイしていたわけではなくて、DJを始めた時はお金が無かったですし、機材もしっかりとした良いものなので買えなくて、人から譲り受けたDJミキサーとターンテーブルでDJをしていたんですね。毎回ちゃんとお金をいただいて、勝負をするつもりでDJをしているので、レコードでしっかりと考えてやろうと思ったんです。でもレコードになっていない音楽も沢山ありますし、僕はそういう音楽も好きだったので、DJでかけたい気持ちがずっとあったんですけど、家で練習をしないで突然クラブにUSBを持っていって、CDJが「CDJモード」になってて、“ダダダダダッ”ってなっちゃってパニックになるみたいなこともあったので、さすがにちゃんと家で練習をした方が良いなと思ったんです。

CDJを触り始めた最初の頃の驚きとかは、どういう部分に感じましたか?

購入する前に、少しだけXDJ-1000MK2をお借りすることができたので、家でCDJの練習をしていたんですけど、やっぱり楽だなって思いましたね。楽をすることが良いことだとは決して思わないですけど、それによってDJすることへの気持ちは変わるわけではないですし、ラクしているから、つまらなくなるってことでも無いですし。USBに移行して、やっとかけれるようになった曲も沢山あって、そういう曲がかけれるようになったから作れるフロアの画もありますし。そこに違和感は無かったですね。でも何年かUSBでデータだけでプレイしてから、久しぶりにレコードでプレイしてみたら、“こっちも良いな”って思ったんですよね。だからレコードでプレイすることの良さも再確認することができました。

レイジさんはレコードディガーのイメージがあるのですが、レコードの音源をデータに変換することもされているのですか?

やってますね。やっぱりデジタルでは売られていないレコードオンリーの音源もあるので、そういうのはパソコンに読み込んでます。でも音量を整えるのが結構難しいんですよ。音量がめちゃくちゃデカ過ぎたりとか(笑)。あと、BPMが一定にならない曲もあるので、そこは難しいですね。でも結局、レコードをデータ化したものって、かけなくなるんですよ。その曲がかけたいのであれば、そのレコードを持って行って、それだけレコードでかけた方が良いなって思ってしまうんですよね(笑)。

好きなレコードをクラブの音量で聴くのは楽しいですよね(笑)。

そうですね。僕にとってDJをやってて感じる一番の旨みは、“好きな曲を爆音で聴ける”という部分なので、クラブで好きな曲をかけられるっていう幸せはありますね。僕、かなり必死でレコード買ってたんですよ。プロモ盤でしかリリースされてなかったり、レア化してたりして、めちゃくちゃ高いJ-POPのレコードとかあるじゃないですか。別にCDを持っていけば済む話なんですけど、でもDJだったらやっぱりレコードでかけたい気持ちがあったから、頑張って買ってたんですけど。データになった瞬間にかけれる曲の幅が増えたから、その時も楽しかったですね。データだと、ウソみたいなセットができるんですよ(笑)。Mura MasaとCalvin Harrisしかかけなかったり、みんなが「ウソでしょー!」って思う曲しかプレイしないセットができるというか、東京で一番恥ずかしいDJができるみたいな(笑)。

Reiji Okamoto

原点に遡って、クラブに行くようになったのはいつ頃でしたか?

3、4歳とかですね。父親がレイヴァーで、DJとかもやってたんです。だから本当に子供の頃からクラブとかレイヴとかに行ってました。

Reiji Okamoto

その後に、レイジさんご自身がDJを始めたのはいつだったんですか?

中学生ぐらいの時からKANDYTOWNのメンバーと遊ぶようになった時に、僕もバンドやってたし、彼らもラップやってたから、「自分たちでイベントやろう」ってなって、クラブではなかったんですけど、デイタイムでイベントをやったんですよ。その時ぐらいからDJをやり始めて、高校生の時にはやってましたね。父親がターンテーブルとミキサーを持っていたので、それで練習して、レコードでやってました。繋ぎとかは誰も教えてくれなかったので、とりあえず選曲勝負でやってましたね。

当時はどういうジャンルをプレイしていたんですか?

その頃は客観視ができていないから、とにかく自分が好きな曲をかけるスタイルだったので、各イベントを盛り下げてましたね(笑)。ガレージロックとか60年代のロックとか、たまにKANDYTOWNのメンバーが教えてくれたヒップホップとかかけてましたね。だからDJ歴で言ったら、13年ぐらいですかね。

今では本当に色んなジャンルのイベントにご出演されてますよね。

逆にそれが悩みでもあるんですよ。毎回「何を求めて俺を呼んでるんだろ」って思ってしまうんですよね。凄い分かりやすく、ラッパーとヒップホップDJしか出演してないイベントに出る時の方がやり易いんですよ。意外と真面目に考え込んでしまうタイプなので、いわゆるレセプションパーティーとか、ジャンルが特定できないカルチャー系のパーティーとかでDJする時の方が「何をかけたらいいんだろう」って迷ってしまうんですよね。やっぱりレコードでやってた時は、持っていけるレコードの枚数に限りがあるから、一曲もフロアにハマらなかったら他に持ってきたレコードでも対処できなくて、コケちゃう時は本当にコケ倒して終わるみたいな感じだったんですけど、データで何万曲も持って行けるようになってからはそういうことは流石に無くなりましたね。空気を読んで変えていくことがやっと可能になったと言うか、やっとスタートラインに立てた感じですね(笑)。僕のDJに対する美学みたいな部分で、カルチャーの成り立ち的に“DJはパーティーの盛り上げ役”だと思っているので、“お客さんが盛り上がってなくても自分が好きな曲をかければいいや”みたいなメンタルには僕はなれなくて、やっぱりお客さんが盛り上がっててなんぼだと思うんですよ。そういうメンタルになってしまうから、レコードでやってた時はしっかり敗北感を味わって凹んだこともあったし、その度に次に向けて準備してたんですよね。でもUSBでデータでプレイするようにしてからは大分改善されましたね。どっちもやってわかったのは、データでやってると、ピンチがチャンスになり得る感じがありますね。ポケットに入れて持って行ける利便性ばかりが目に付くと思いますけど、そこに詰まっている沢山の曲を使って、自分の機転を利かせて想像力を働かせた時に、勢い良く行けるのはデータの良さだと思いますね。それでパーティーも信じられないぐらい盛り上がる時もありますし。

バンドマンとしてのオカモトレイジと、DJとしてのオカモトレイジとの間で共通する部分はありますか?

100%真逆なことをやってる感覚でいるので当然違う部分が多いんですけど、さっきの話で言えば、ロックだとお客さんが盛り上がってなくても自分たちが格好良いと思った信念を提示し続ける姿勢が大事だと思うので、例えそれがバンド体制じゃなくても、そういう行いをしている人が信念を曲げないことがロックだと思うんです。OKAMOTO’Sをやっていても、“『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』に出ても盛り上がらなかったからもっと四つ打ちの曲を増やそう”みたいな試行錯誤を沢山していた時期も通過して、自分たちなりに導き出した答えで今があるので、そこ曲げた時にダサくなると思いますし、そこを曲げずに自分たちのサウンドを追求していく方が絶対格好良いと思うんです。でもDJの時は、その日たまたま通りかかった人、ナンパ目的できた人すらもブチ上がる曲をかけられるかに集中しているので真逆ですね。でも僕自身がリンクさせていることで言えば、逆にそういう通りがかりの人が盛り上がる曲が、いま本当に求められているサウンドだと思うので、音楽に興味の無い人が反応して立ち止まってしまう曲調とかBPMとか、そういうサウンド感はDJを通じて参考にしてバンドに持ち帰ってますね。

Reiji Okamoto

具体的にかなりインスパイアされた曲は何でしょうか?

ここ最近で一番DJから学んでバンドに大きくフィードバックがあったのは、ABBAの“Dancing Queen”でしたね。前にDJでかけた時にめちゃくちゃ盛り上がって、こういうBPMとテンポ感、メロディーの多幸感とヴィンテージ感が受け入れられるんだと思ったのは大きな発見でした。ここ最近の2枚のアルバムとかは“Dancing Queen”から影響を受けまくっていてます。アルバムのテーマになっている楽曲が2曲ともABBAを参考にして作った曲だったので、こないだDJでふと久しぶりに“Dancing Queen”をかけたら結構エモくなって、「この曲があって、バンドのこの2~3年があるな……」ってひとりで感傷的になってしまって。しかも曲が良いから泣きそうになりましたね。DJから学ぶことは本当に多いですよ。

XDJ-1000MK2

XDJ-1000MK2
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ここ最近で一番DJから学んでバンドに大きくフィードバックがあったのは、ABBAの“Dancing Queen”でしたね。DJから学ぶことは本当に多いですよ。

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