HIP HOPスタイルを中心に、あらゆるジャンル・年代に及ぶ膨大な音楽知識を背景とし、
最新のクラブミュージックからタイムレスなクラシックスまで卓越したDJスキルにより、上質なピークタイムと一体感を演出する国内随一の実力派DJ / Producer。
1995年、弱冠14歳にてDJとしてのキャリアをスタート。1999年に単身渡米。1年間現地での経験を経て、2000年に帰国。現在は東京を拠点に、都内から全国各地の主要クラブをはじめ、川崎ハロウィン2014、SOULCAMP 2015、COLOR ME RAD 2017といった大型フェスにも活躍の場を広げている。
これまでに、メジャーからインディーまで計6作のDJ MIX作品をオフィシャルリリース、それぞれ異例のセールスを記録し、その名を全国に轟かす。
DOMMUNEやblock fm、WREPといったオンラインメディアへの出演を始め、DJでは国内初となるメールマガジン”-Club & Culture Music Magazine- edge”の配信(現在は休止中)、人気アパレルブランド”BEENUTS”のオフィシャルモデルを務める等、その活動は多岐に渡る。
特筆すべきは、自らの監修による、レコーディング/マスタリングスタジオCRYSTAL SOUNDの運営を行い、楽曲制作、レコーディング、ミキシング、マスタリングまでの全行程を自身で手掛けるサウンドプロデューサーとしての側面である。
これまでに、USのグラミーノミネートソングライター”Lonny Bereal”、カナダ出身の人気女性R&Bシンガー”Andreena”といった海外アーティストから、t-Ace, TERRYといった国内アーティストに至るまで、数々の作品を手掛けている。
自身のDJ活動20周年となる2017年、レーベル"Sure Biz Records”をローンチし、ヒップホップレジェンド Nice & Smoothや、世界的R&Bシンガー”N’Dea Davenport”、MINMI、SHINGO⭐︎西成をはじめとする豪華客演陣が名を連ねた、自身初となるオリジナルアルバム「LIFE AFTER TWENTY」をリリース。
Official Web Site: dj-swing.net
今回はDJ SWINGさんのスタジオCRYSTAL SOUNDにお邪魔していますが、こちらのスタジオにモニタースピーカーRM-07を導入する決め手となった要因を教えていただけますか?
以前に使用していたモニタースピーカーにも満足していたんですが、実際にRM-07を使用して感じた圧倒的な表現力の高さをはじめ、すべての要素でRM-07が勝っていたので導入しました。
CRYSTAL SOUNDには2つのスタジオが完備されていますが、RM-07が設置されているスタジオは、主にどのような用途で使用されているのでしょうか?
RM-07が設置されているBルームはプリプロルームで、主に楽曲の制作に使用しています。楽曲によってはBルームでミキシングまで行い、マスタリングだけをmusikelectronic geithain RL901Kを設置しているAルームで行う場合もあります。
先日リリースされたアルバム「LIFE AFTER TWENTY」の制作においても、RM-07を使用されたのですか?
アルバムに収録されている全ての楽曲でRM-07を使用しています。なかでも、ラッパーのSAL the soulをフィーチャーしたSURE SHOTと、シンガーのSAYUKIをフィーチャーしたLOVE ME AGAINは、作業の9割程度をRM-07があるBルームで行っています。
LOVE ME AGAINでは、2種類のベースを重ねたり、キックも相当重ねたりしているんですが、RM-07は音の分離感が良いので、とても判断しやすかったですね。実際にAルームでマスタリングを行う際も、大きな修正を必要としませんでした。
楽曲の制作においても、ミキシングやマスタリングにおいても、音の判断はとても大切ですよね。
楽曲に使用する音色選びはとても大切な工程ですが、RM-07を使用することで判断にも迷わずスムーズに行えました。楽曲の制作時から音像が平面にならないように音の奥行き感を意識していましたが、生楽器によるライブを聴いているような音楽的なアルバムに仕上がったかなと思います。
RM-07は位相の良さに定評がある同軸構造を採用していますが、RM-07の位相はいかがですか?
恐らくこの価格帯でここまでの空間表現が可能な同軸スピーカーは、他にはないと思います。前後上下左右、3Dに展開される音像定位が、ミキシングやマスタリングで作られた各パーツの距離感をぼかすことなく描き出してくれます。マスタリングを行うAルームで使用しているmusikelectronic geithain RL901Kも同軸で高い評価を得ているモニタースピーカーですが、こちらがペアで200万円を超えることを考えると、RM-07のコストパフォーマンスは驚異的とも言えますね。
モニタースピーカーには、トラックを忠実に再現するフラットさが求められますが、その点はいかがでしょうか?RM-07の周波数特性について、感想をお聞かせください。
特別どこかの周波数ポイントにピークを感じることはないですね。聴感上のフラットさを保ちつつ、ローエンドまでスッと沈み込み、天井を感じさせないハイエンドの伸びがあります。このサイズのモニタースピーカーに感じることの多い低域表現の物足りなさや、カラーレーションが少なく、スペック上の周波数特性よりも下まで伸びている印象を受けます。
RM-07は人間の可聴域を超えた50kHzの超高域再生を実現していますが、人間の可聴域に対応した一般的なモニタースピーカーに比べて高域の伸びはいかがですか?
人間に聴こえない周波数帯域まで対応する必要はないという意見もあるかもしれませんが、300kmまで出る車で100km出すのと、120kmしか出ない車で100km出すのでは、ゆとりに差が出ますよね。同じように、50kHzまで再生可能なRM-07は高域にゆとりがあり、突き抜けるような高域を再現してくれます。
コンパクトなRM-07は、自宅スタジオでの使用など、ルームアコースティック環境が整っていない場所での使用も考えられますが、ルームアコースティック環境に対する順応性はいかがですか?
マスタリングを行うAルームでは徹底したルームチューンによりモニタースピーカーの周り全方位、壁に向かって十分なスペースを確保していますが、Bルームではスペースの都合上、壁からわずか20cm程度の位置にモニタースピーカーを設置しています。このような環境でも、RM-07はまるで壁から十分な距離をおいて設置しているかのように、濁らず抜けの良い音が再生されます。また、CRYSTAL SOUNDでは使用する必要がありませんでしたが、不利なルームアコースティック環境の場合、背面に備えられた3バンド・イコライザーが効力を発揮してくれるので、自宅スタジオでの使用にもおすすめです。
RM-07の上に木製の置物が置いてありますが、あれって何ですか?
SURE BIZが行っている音響コンサルティングで、"AQE -Acoustic Quality Enhancement-“ というものがあるのですが、AQEを体感できるオーディオ製品版として今後販売予定の"3D Enhancer"というアクセサリーです。モニタースピーカーの上に置くと、ルームアコースティックを改善して、より立体的なサウンドを生み出すことができます。RM-07の立体感はもともと優れていますが、3D Enhancerを使うと音場表現や音の抜けが更に良くなりますよ。
ミキシングやマスタリングにおいては、スピーカーのトランジェント特性も大切な要素ですが、RM-07のトランジェント特性はいかがですか?
トランジェント特性は抜群だと思います。音の立ち上がり部分はスパッと立ち上がり、消えるべき部分は間延びせずスッと消えていく。そういったスピード感のあるレスポンスの良い正確な表現ができるのもRM-07の素晴らしいポイントですね。特にミキシングやマスタリングにおけるコンプレッションやディエッシングといったダイナミクスの処理を行う際に、このポイントは非常に重要になってきますが、RM-07は自分が過去に聴いてきた様々なモニタースピーカーのなかでもトップクラスのトランジェント特性を持っていると思います。
RM-07はどのような方におすすめできますか?
プロフェッショナルから、自宅スタジオで制作されているアマチュアの方まで、幅広い方におすすめできるモニタースピーカーだと思います。こんなにもストライクゾーンが広いモニタースピーカーは、なかなかないですよね。アマチュアの方には少し手が出しづらい価格帯かもしれませんが、楽曲の最終的な仕上がりを考えると、十分に投資する価値のある製品だと思います。
ジャンルによる適正はありますか?
CRYSTAL SOUNDを訪れる多くのエンジニアさんがRM-07を聴いて、クラブミュージックやポップミュージックはもちろん、アコースティックやバンド系の音源を鳴らしてもすごく良いですねと言われます。Pioneer DJのモニタースピーカーということで、クラブミュージック寄りな印象を持たれる方もいるかもしれませんが、ジャンルを問わず高い再現性を発揮してくれます。
モニタースピーカーに求められる全ての要素において、高いパフォーマンスを発揮してくれるモニタースピーカーってなかなかないと思うんですが、RM-07はどの要素においても高いパフォーマンスを発揮してくれる平均点の高いモニタースピーカーですね。
「RM-07」はニアフィールド環境で高解像度の音源を正確にモニタリングできるプロフェッショナル用アクティブスタジオモニターです。プロデューサーやエンジニアから高い評価を得ているTAD Labs※2社が、スピーカー開発で培ってきた技術を基に、当社が現代の楽曲制作環境に合わせて新開発した「”点音源”同軸ドライバー」と「高解像度50kHzトゥイーター」の搭載、「高剛性アルミダイキャスト筐体」の採用し、ニアフィールド環境においても正確に音と音像定位を確認することができます。
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